ひらりひらりと舞い遊ぶように姿見せたアゲハ蝶
空のような青に
光を思わせる黄色
闇おも魅せる漆黒の羽
闇.
「。」
僕の呼んだ声に肩を震わせては振り返った。
・と僕、トム・リドルは恋人同士だ。
そしてどちらも男性で周りから見れば変人なのかもしれない。
でも
僕はが好きで
も僕が好きだった
そんな二人に世間の常識なんて必要ない
付き合うようになってからの僕の生活は180度も変わった。
憎らしいこの世界も好きになった。
は本当に優しくて可愛くて綺麗で・・・
いわば僕の光だった。
闇である僕と光である君
そんなを汚したいと思い始めたのはいつからだろう。
いつも笑っている君が愛しすぎて
彼自身が眩しすぎて
壊してしまいたくなった
だから好きでもない女を抱いたり
のいる前でキスをした。
彼が僕に狂ってくれる事を願いながら・・・・・・・・
案の定、は怒ったし泣きそうな顔を僕に向けた。
その度僕はぞくぞくした感覚に襲われ、もっとのそんな顔が見たくなった。
エスカレートしていく行為についには
僕を
否定し始めた。
廊下ですれ違っても目も合わせてくれない。
笑った顔は見せなくなった。
声なんてもう二週間くらい聞いていない。
「・・・なんだよ。」
不機嫌そうなの声に笑みがこぼれる。
綺麗なその声
久しぶりのの声だ
「ちょっと話したいことがあるんだけど、来てくれる?」
「イヤ。」
簡潔に断っては寮に帰ろうとしたが、そんなの僕が認めるはずも無く
「来るよね?(にっこり)」
有無を言わせない微笑で近くの教室に強制的に引きずり込んだ。
使われていない教室なのか誰もいないし埃っぽい。
僕にとってはまったくもって好都合だ。
「なんなんだよ?!っつか、手ぇ放せ!!」
は腕を掴んでいる僕の手を離そうともがきながらヒステリックに叫んでいる。
その叫びさえ今の僕にはご馳走のようなものだ。
「放せってば!!」
苛ついたの声に僕は笑みを絶やさずに言ってやった。
「放したらは逃げるだろ?」
その一言に押し黙るに一層笑みを深くして続ける。
「さっきグリフィンドールの生徒と何話していたの?」
僕の唐突な質問に彼は何を言っているのかわからないと、言う顔をした。
「図書館で一緒にいた彼だよ。」
数分前に偶然図書館でと見かけないグリフィンドール生が話しているのを見かけた。
には友達が多いのは知っていた。
それは男女関係無くだ。
彼のその明るい性格が皆を惹き付けているのだろう。
が誰かと話しているだけで僕の心にどす黒い感情が産まれていたのは言うまでも無いけど。
そんな僕の心なんて知らないは今日も知らない男と話していた。
それだけで僕にとっては憎らしい事ないのに、あろう事かはその男と笑いあっていた。
見ることも無くなった穏やかな笑顔で・・・
「どんな話をしてたの?」
「・・・・・・・何でそんなこと聞くんだよ。」
僕の怒りが見え隠れする微笑には怯えたように俯きながらか細い声で問う。
震える身体を必死で抑えるの姿が可愛いと、頭の隅で思いながら赤い瞳を細める。
「何でって・・・の事が知りたいからさ。」
空いている手での髪を梳くと薄い肩をびくりと震わせた。
そして震える唇から出た言葉は僕を壊した。
「リドルには・・・・・関係ないだろ。」
それは彼の中の僕という存在が無くなってしまった事を指していた。
ダンッ
思いっきりを壁に叩きつける。
悲痛な悲鳴が漏れたが気にしない。
捕らえていた腕にこれ異常ないくらいの力がこもる。
沸き起こる憎悪の感情
怒りが抑えきれない
「関係ないってどういう意味?」
燃えるような憎しみに身体が焼けそうだ。
低い僕の声には初めて顔を上げた。
漆黒の瞳が僕の赤い瞳とかち合う。
そしてすぐ伏せた。
恐怖に身体が震えている。
気に障る
その行動全てが僕の癇に障った。
我ながら矛盾していると思うがそんなの如何でも良い。
の返答を待たずに口付けをした。
噛み付くような深い口付け。
驚いたが逃れようともがき始めたが腕に入れた力を強くすると大人しくなった。
「・・・・っんぅ・・・ふぁ・・・ぁ・・やっ・・・・・。」
舌を侵入させ口内を貪る。
歯並びに沿って口腔を犯していくと切ない喘ぎが聞こえた。
甘い痺れが背筋をつたう。
他の女達とキスしたときとは比べ物にならないくらいに甘い。
角度を変えて何回もキスしてゆっくり放した。
途端に崩れるの身体を抱きしめるとは息も絶え絶えに僕を見上げる。
「な・・・んで・・・・。」
掠れた声に笑みが再び漏れる。
「愛してるからだよ。」
そう言ってまた口付けた。
君は僕にとって光だった
それはひらりと舞い遊ぶアゲハ蝶のようで
いつか何処か僕の知らないところへ飛んでいってしまうほど儚い
だからこそ嫉妬して欲しかった
此処にとどまる理由となって欲しかった
でも
それももう、御仕舞にしよう
誰にも見せたり触らせないように僕の部屋に繋いでおこうか
それとも殺してしまおうか
に赤い色は良く映えるだろう
光サイド