新しい朝が来た 希望の朝だ
喜びに胸を開け 大空あおげ
ラジオの声に 健(すこ)やかな胸を
この香る風に 開けよ
それ 一 二 三
ラジオ体操第一ぃ―、始め!!!
空想天気予報
最近私の家は賑やかです。
先日黒猫を一匹拾ったからです。
その黒猫は高杉晋助君と言ってとても突っ込み上手な人なのです。
高杉君は攘夷派の危険分子らしいのですが
今はただの手負いの突っ込み上手な
黒猫です。
高杉君の傷は絶対安静でないといけないほどに深いにもかかわらず、
私の言う事はまったく無視で拾った次の日には家の中を歩いていました。
でもすぐに倒れます。
そしてフラスコ噴水実験を繰り返す毎日。
「あたーらしーい、あーさがきた、きぼーぉのあさーだっ」
パンパン
今日は快晴の天気です。
洗濯日和です。
私は溜まりに溜まった洗濯物を一気に干そうと庭一面に
ロープを張り巡らせていました。
なんて清々しい朝なの!
ほら、あそこでスズメの囀りが聞こえるわぁ!!(ハイジ風)
「アホか、てめぇ。
何処が新しい朝なんだよ。」
この不機嫌極まりない声は・・・・!
くるりと振り向いた先には
不機嫌と言う字はこの人の為にあるんだなァと感じさせてくれるほど
不機嫌な顔の高杉君がいました。
ちょっとおいしい顔だと思います。
「おはよう、高杉君!
清々しい朝やね!ほら、朝焼けが見えるで!!」
「あれは夕焼けだ。」
「(無視)スズメの囀りが!!!」
「カラスの鳴き声だろ。」
・・・・・・・・。
「ええやん、少しくらい乗ってくれたって。」
「乗るか!」
「あー今の突っ込みは甘いで。マイナス十点や。」
「・・・てめぇはどんだけ俺を逆撫ですりゃァ気が済むんだァ?(怒)」
とりあえず刀は仕舞おうよ、高杉君。
危ないです。
私の生死が。(重要)
〇。〇。〇 ―――――――−‐-
カー カァー
夕焼けの空をカラスが一羽飛んでいきました。
今私は疲れた顔をしている高杉君の横でお茶を飲んでいます。
あの後怒る高杉君を何とか(ここ重要やで)治め、二人縁側でお茶会です。
「あーどないしょう。洗濯物溜まりすぎやー・・・。」
「お前、それでも女か。」
「女やから何でも出来ると思わんといてー。」
「出来る出来ねぇの問題じゃねぇだろーが。
無精だっつってんだよ!」
いくらなんでも三週間は有り得ねぇだろ!!
「・・・・・そんな事、ないで?」
「ないわけあるかァァァ!!」
そう言って高杉君は猫がシャー!と威嚇するみたいに怒りました。
本当に猫みたいな人です。
キリ君に似てます。
「そんな怒らんといてよー。
明日はちゃんと干すんやし。」
「その言葉は昨日も聞いた。」
「・・・・。」
「ったく、何でてめぇは朝起きれねぇんだ!」
「なんでやろねぇ。」
「しみじみ言うんじゃねぇー!!」
「我侭やで、高杉君。」
「あ、すんません。私が悪うございました。
だから刀抜かんといて下さい。」
・・・・血の気多すぎやわぁ。
「よーし!明日は干すぞー!!」
「明日から雨らしいぜ。」
「・・・・・。」
眉を寄せて高杉君を見たら彼は意地悪い笑みを浮かべていました。
ちょっとカッコイイと思ったのは秘密です。