「だから友達が一人もいないんだよ。」
その言葉はハーマイオニーの心に深く突き刺さった。
ハロウィン騒動 前
今日はハロウィーンだ。
大広間は生徒の歓喜や興奮している声が聞こえる。
その中、は学校中を駆け回っていた。
時間は少し戻る。
話の発端はロンの一言からだった。
ハリー達とハーマイオニーはあまり仲が良くなく、特にロンとハーマイオニーは最悪で会うたびに口喧嘩が耐えなかった。
今回もそれが原因でキレたロンが彼女には友達がいないと口走ったのだ。
ハーマイオニーは泣きそうに顔を歪め、どこかへかけて行ったらしい。
がそれを知ったのは午後の授業が終わってハリー達に会ってからだ。
「何でそんなこと言ったんだよ。」
「我慢できなかったんだよ!いつもすかして人の欠点をねちねちついてくるのに!」
ロンはぶっきらぼうに答えた。
は密かにため息を付く。
ハーマイオニーは少しお節介ところがある。
しかし、それは彼女の世話好きな性格からきているのをは知っている。
「たしかにハー子にも非はあるけど今回はロンが悪い。
人には言って良い事と悪い事があるだろ?」
「今回のは言っていけない事だ。
お前も本当はわかってんだろ?」
ロンは気まずげに頷く。
「だったら後で謝っとけよ。
俺はちょっとハー子を探してくるから。」
二人の返事を待たずには廊下に消えていった。
そして今に至るのだ。
「くそっ!何処にいんだよ?!ハー子!!」
いい加減走るのも疲れてきた。
は汗をぬぐいながら息を整える。
知っているところは全て探した。
しかし、ハーマイオニーは見つからない。
途方にくれてその場にへたり込む。
マジで何処にいんだよ。
ハー子専用の隠れ場所でもあるのか?
ん?
ハー子専用・・・・・。
ハー子→女→スカート→男ははかない→男が行けない→トイレ
チーン
「女子トイレか!!!」
「ハー子!!」
バーンと女子トイレのドアを開けてが叫ぶ。
「居るか?!ハー子ぉ!!!」
わざと大声で叫ぶ。
心なしか顔が赤い。
だって、年頃の男が女子便に入るんだぞ?
誰か知らない人が入っていてばったり会ったら俺、どうすりゃいいんだよ。
とりあえず、人を探してたんですっていうポーズを取るしかないじゃん。(以上、より)
しかし、彼は知らない。
ポーズを取ったところで女子トイレに入った事は事実で、変態には変わりない。
「ハー「?」
「そこに居るのか?!ハー子!!」
聞きなれた声にが反応する。
聞こえてきたのは一番奥のトイレ。
「どうして・・・・ここにいるの?」
驚いた声音の彼女。
「何処にもいないから探しにきた。心配したんだぞ?」
少し怒ったようには言う。
「には関係ないじゃない!!」
「どうせも思ってるんでしょう?!」
「お節介で、天狗になってるって!!」
扉一つ隔てて聞こえた悲痛な声には顔をゆがめる。
「関係ある!」
そう
関係なくなんか無い
「一番最初に俺が友達になったのはハー子だ。」
途方にくれた自分を助けてくれたのはハーマイオニーだった。
「たしかにハー子はお節介なとことか天狗になってるとことかあるかもしれないけど」
「お節介なのはハー子の世話好きから来てるし、俺はそれで何回も助けられてきた。」
「天狗になってると感じたなら明日から少し押さえれば良い話だろ?」
だって過ぎた時間は簡単に戻ってこないし、後悔ばかりしてられない
それに未来はいつでもやりたい放題だ
後悔した分だけ未来に活かせば良い
「・・・・本当にそう思ってくれる?」
泣きそうなのを抑えて言葉を紡ぐ。
「当たり前じゃん。」
「それにハー子は思ってないかもしれないけど今も俺の中でハー子は友達だよ。」
暖かい声に思わずハーマイオニーの目から涙が溢れる。
「私ものこと友達だと思ってるわ!!」
精一杯の声で応えるとが笑ったような気がした。
「じゃぁ、出てきなよ。そんでもって、食事食いに行こう?」
それに応える為ハーマイオニーはドアの鍵に手をかける。
カチリ
扉を開こうとした時だ
「やっぱハー子でてくんな!!」
焦った様なの声に驚く。
そして次に聞こえた声に納得し、同時に混乱した。
「トロールだ!!」
「えーーーーーーーー!!!!!?」
ハーマイオニーの絶叫が聞こえた。