その日の俺は不機嫌だった。
正確に言うとその場所に着いてから、だ

ここは何の変哲も無いプラットホーム

「あんのクソジジィ・・・・。9と4分の3番線なんてねぇじゃねぇかよ!」

そう叫んで俺は切符を握り締めた。

切符には『9と4分の3番線』と書かれ、

その下には『ボグワーツ行き』と大きな文字で堂々と書かれていた。





良い日旅立ち





どこにあんだよ 9と4分の3番線って!!(怒)



ってか、なんでそんな微妙なホームなんだよ。



作ったのは絶対あのジジイだ。



そんなに俺の突っ込み聞きてぇのかよオイ!




マジどうしようか・・・・・・・・。
出発もまであと3分も無い。


乗り遅れたらボグワーツ行けねぇじゃん!

オイオイ、ヤベェよ!それは!!

何の為に俺は昨日無能大佐のところに電話したと思ってんだよ!!!

しかもどんな思いで俺は説明したと思ってんだよチクショウ!!!!!!!!

国家錬金術師とあろう者が「実は僕魔法使いだったんです。
なので魔法学校に通うことになりました。仕事は出来そうにありません。」
なんて死んでも言えるかよ!!


でもそれを俺は言ったんだよ!!!

言ってしまったんだよ!!!!




し・か・も・




返ってきた答えは




そうだったのか。仕事の方は書類を主にだそう。それならその学校でもできるだろ?
まぁ楽しんでこい。はっはっはっは!!」








アンタ本当に錬金術師ですか。







なに魔法認めてんだよ!!




おかしいだろ普通!!!

「魔法なんて無い」とか言えよ!



ああもう!!

今は汽車に乗ることだけ考えるんだ、俺!!

ここで乗り遅れてのこのこ戻ったりしたら
笑い者だ。


「汽車に乗り遅れるなんてはバカだな!」とか
言われて笑われるんだぞ。

考えても見ろよ

無能バカと言われんだぞ?!


そんな日には俺再起不能だわ・・・・。


なんとしてもそれだけは避けなきゃならねぇ・・・・!!!!



「ねぇあなた。」


いきなり後ろで女性の声がした。
振り返るとそこには俺ぐらいの少女が立っていた。

茶色の髪がふわふわとウェーブがかっていて
目がパッチリとしている可愛いい少女だ。


「あなたもボグワーツの新入生?」


「そうだけど。君も?」


少女は“ええ、そうよ。”と微笑んだ。


「じゃぁ9と4分の3番線ってわかる?」

藁にもすがる思いとはまさにこの事だ。
必死の顔の俺に彼女は笑って

「知ってるわ。こっちよ!」







神は此処にいた!!!!!!!







彼女・・・いや、神は俺の袖を引っ張って

9と10番線のプラットホームの柵に連れて行ってくれた。


「ここの柵を真っ直ぐいくと行けるわ。」










・・・・神は何て言った?
そのまま行ったらぶつかんじゃん!!!







「・・・ぶつかると思うんだけど。」


「大丈夫よ!!さぁ行くわよ!!!」


「え″!?ちょっ!!」


神は俺を否応無く押した







その姿は男の俺より漢らしかったです。(死)








「!!」




ぶつかる!


そう思って目を瞑っても次の衝撃は来なかった。

「?」

不思議に思ってそおっと目を開けると
そこにはふくろうなどを持った変な人たちでいっぱいだった。

いや、失礼!個性的な人たちがいっぱいいた。

俺もその1人になるのか・・・。

ちょっと複雑だ・・・・・・・・・・。


「ね?ついたでしょ?」

後ろにいたさっきの神が呆気に囚われている俺に尋ねてきた。

「とにかく空いているコンパーメントを探しましょう。
あ そうだ、あなた名前なんていうの?
私はハーマイオニー・グレンジャーよ。」

にっこり笑って右手を差し出された。
俺も少し笑ってその手を握る。

「俺は。よろしくハーマイオニー。」



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