「ぎゃぁ!痛い!!!」
「煩いぞ!大人しくしろ!!!」
さっきから続く二人の口論。
一つ目の秘密
トロール事件の後、医務室に行ったが運悪くマダム・ポンフリーはいなかった。
「しょうがない、我輩が手当てしよう。」
ため息を付くスネイプには信じられないと、言う顔を向けた。
スネイプが手当て?
出来る出来ないの問題じゃなくて毒盛られて殺されそうで嫌だ!!!!
「早く座れ。」
薬品を取り出して椅子に座るスネイプに促され、渋々向かえの椅子に座る。
つんと、消毒液の匂いが鼻を付く。
「教授、それ毒とか入ってませんよね?」
警戒心丸出しのを見てスネイプは眉間の皺を増やす。
「いくら我輩が貴様を嫌いだとしても其処まではやらん!」
怒りながら乱暴に傷を消毒され、は小さく呻いた。
「痛い痛い痛いー!!!!もっと優しく出来ないんですか?!」
「貴様にはこれで十分だ!!!!!大人しくしろ!!!!」
「ぎゃ―――――――!!!!!!!!!」
色気の欠片もない悲鳴が廊下に木霊した。
「まったく、一歩間違えていたら貴様は死んでいたんだぞ?!
自覚はあるのか?!!!」
ガーゼに薬を塗ながら説教たれるスネイプにはきょとんとして聞いていた。
「教授・・・・・もしかして心配してくれたんですか?」
スネイプはポツリと呟やかれたものに異常なまでに反応した。
「だ、誰が貴様なんぞに心配するか!!!!!!」
そう言うものの彼の顔は赤くなっている。
なんだかんだ言って心配していたのが丸判りである。
「へへ、心配してくれてありがとうございます。」
照れくさそうに、でも嬉しそうに笑ったにスネイプは顔を最高潮に赤らめた。
言わば心臓バックンバックンだ。
「れ、礼を言われるまでもない・・・・・・////」
気を紛らわそうと再び薬塗りに没頭する。
心なしか嬉しそうだ。
向かいではそれを見て『?』を飛ばしてた。
これだから天然は怖い。
「とりあえず眼帯を取れ。」
薬を塗り終わりに目をむけると、急には血の気が引いたようにスネイプを見つめた。
「取らないとダメですか?」
さっきまでの笑顔はなく、ただ唖然とスネイプを見つめる。
慄然としたを見てスネイプは首を傾げた。
この少年はなにを恐れている?
「取らなければ貼れないだろう。」
少し考えた後は意を決して眼帯を取った。
左眼を見てスネイプは息を呑んだ。
の左眼は無かった。
伏せた睫毛の下には、ぽっかりと穴が開いている。
つまり眼球自体がそこには無かったのだ。
「・・・・生まれつきか?」
ガーゼを貼りながら静かに聞かれ、は手を握り締めた。
「・・・・・・・・・違います。」
その手は小刻みに震えている。
「・・・そうか。」
そう言ってスネイプは黙々と手当てする。
薬品の匂いとスネイプの作業する音だけが医務室の部屋を満たした。
一つ目の秘密が暴かれた
でも
その真実を知る人はここにはいない
だめだめあとがき ――――――――
スネイプと仲良くしよう!のはずがシリアスに・・・・・・・。